From be1773@ni.bekkoame.ne.jp  Wed Oct 28 01:13:57 1998
From: Cazou ACID Sanada 
Subject: [music-fans:00192] 独り言（加藤いづみ“切なく青い空のページ”）
Date: Wed, 28 Oct 1998 01:07:13 +0900
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そこはかとなく切なさを感じること、それは限りなく時代は発散して
いく、と言う事実。個人の中ではそれは退屈凌ぎの本質なのかもしれ
ない。しかし、時代の発散に流されてしまった僕は取り残されてしまっ
たらしい。結局、発散する中にも収束の地を見つけることが出来る者
だけが大人になる、とでも言ったらいいのだろうか。
　早い話が、安室奈美恵withスーパーモンキーズファンだった僕は安
室ファン、ＭＡＸファンの狭間でどちらにもついていないし、クラブ
ミュージックファンの僕はテクノファン、ハウスファンとも距離を置
いている。安住の地を求めないのは自分の本質ではあるけれど、時々
メランコリックになるときもあるよね。

　で、加藤いづみの“切なく青い空のページ”。作風は初期の頃とは
全然変わってしまったと言ってよい。アコースティックなガールポッ
プの彼女が、まるでステレオラブみたいなモンドなサウンドをバック
に歌っているし。しかしその一方で、彼女本来の持つ“切なさ”はあ
の頃と（"Sweet Love Songs", "Skinny"の頃）何ら変わっていないよ
うな気もする。ポニーキャニオンからバップに移籍した最初の作品、
と言うことでターニングポイントと言ってもいいのだが、このモンド
チックな世界は前作のアルバム"Sad Beauty"ですでに出来上がってい
たので驚くことではない。

　何はともあれ、この曲を聴いていると、昔感動したロマンス映画を
観て、セピア色に変わった過去の記憶に酔うような気分になる。回顧
趣味は個人的に好きではないけれど、映像的な歌、ビジュアルではな
く、歌そのものが情景を描写して止まない歌は僕個人にとって重要だ。

acid@po.globe.or.jp / sana@jmt