[DISKREVIEW] Ambient House / Various Artists

　と言うことで、先月のThe ORB のパーティの際に引っ張り出してきた1990年の
名盤。まだダンスミュージックとして地位が確立したばかりのテクノ、ハウスの
文脈に、突如現れたアフターフロア感覚のリラクゼーションサウンドが登場した
ことは衝撃だった。もちろん、朝まで踊り疲れた後のリラクゼーションミュージッ
クとして聞く、と言うのはありだろうが、僕は日本のアフターアワーズクラブで
アンビエントハウスを聞いた経験はあまりなく、むしろアフターでは夜中以上に
テンションの上がったテクノに接していた。
　それはともかく、The ORB の他にも、The KLF やSueno Latino などアンビエン
トハウスを代表するアーティストがこの１枚に網羅されている。
　アンビエントとイージーリスニングは、音楽的にはあまり差はないかもしれな
い(楽器がアコースティックかエレクトロニックかの違いはあるが)。それよりも、
聞く側が受けるインスピレーションが全然違う。単純で上品さを追求するイージー
リスニングと、ロックの進化の過程である種の涅槃の境地を目指すアンビエント
は全く精神性が異なる。
　つまり、ロックの進化とテクノ、ハウスと言う20世紀末の新ジャンル音楽どの
融合点となった時代の音楽が凝縮された音楽であり、コンピレーションなのであ
る。