昨日深夜の放送。家族は日テレの「千と千尋の神隠し」を見たら寝たが、自分 は0時からのこの放送に期待していた。 聞きしに勝る劇映画。原爆投下後の広島の町で被爆者たちが徘徊するシーンが ずっと続く、まずこの原爆のリアリティ。皮膚が焼けただれた人々の痛ましさは もちろんだが、生き残っても発狂してしまう人の多さ、さらに、この後におよん でなお「平常心で過ごせ」と言う軍部、警察の冷酷さ。 さらに、生き残った子どもたちはほとんどが浮浪児に。強盗などもしたのだろ うが、映画で描かれるのは、死者の頭蓋骨を拾って来て土産として売ると言うエ ピソード。髑髏が土産とは、まさに地獄だが、それを買うアメリカ軍の無神経さ も、縁者親類が犠牲者を探して、見つからなかったら形見に買うのか。被爆者だ けがこの地獄絵図の登場人物ではないのだ。 とにかく、子どもが多い。そもそも、語り継いで行くべきは子どもたちであり、 残酷なシーンは半端ないが、本当にこの映画を観るべきは子どもたちなのだと思 う。