[MOVIE] 新聞記者@イオンシネマ市川妙典

　タレントの闇営業でスポンサーが降りちゃうようなナイーブな時代に、果たし
てマスコミはここまで真実を書けるか、と言う、ジャーナリズムの矜持の話。こ
ういう映画が全国ロードショーされるならまずはひと安心ではある。しかしマス
コミ不要論みたいなるほど議論は相変わらず続いている訳で、政府の圧力のみな
らず、ネットのバッシングとも戦わなければならない時代に、ジャーナリズムを
鼓舞する上でも必要な作品、と言う感じがする。
　殿、もとい、松坂桃李が主演していること以外は至って地味な作品だが、その
一方、まさに霞ヶ関でのロケもあり、真に迫った作品。
　今の時代にはあまりにリアルだ。防衛省の秋田県基地問題しかり、年金の老後
資金不足問題しかり、政府の信頼がガタガタの時代、国民の疑義が収まらない今
こそ、高いジャーナリズムが必要とされている時代はない。作品の中で隠ぺいし
ていることはフィクションだとしても、もしかして似たような隠ぺいがリアルで
行われてもおかしくないのでは、と思っていた国民は少なくないと思う。ニュー
スはYoutube動画なんぞでは代わることはできないものだ。
　ヒューマンサスペンスなので、ひとえに役者の力量が作品を決める。殿はあの
頃とは比べものにならないほど迫真の演技をするようになったなあ。