[ART] クリスチャン・ボルタンスキー展＠庭園美術館

　久しぶりの庭園美術館。築地市場から大江戸線に乗ったが、三田線と直接乗換
できないのね、間で浅草線に１駅だけ乗る。あ、外苑西通りって目黒通りから始
まってるのね。
　ボルタンスキーの本館での展示は少ない、インスタレーション作品なので、映
像や音の作品になる。心臓音の作品、ビートが不安定だが空間は灯りを落として
いるし、美術館内にクラブがある感じ。メロディはなくても、あれはインスタレー
ションと言うより音楽だと思う。
　それより、やはり旧朝香宮邸を利用した内装を満喫。1983年開館以来何十回と
来ているが（僕が大学に入学した年）、アールデコは飽きない。マックス・アン
グランの壁プレートのエッチング、ルネ・ラリックのガラス工芸、これらを日本
でいつでも見られるここの存在は大変重要。ル・コルビジェの西洋美術館が世界
遺産になるなら、権藤要吉設計、Henri Rapinデザインの庭園美術館も世界遺産に
して欲しい。
　本館を見終わり、別館のGallery 1、2に大きめのインスタレーション。海辺だっ
たり、森の中だったり、アンビエント性の高い作品。ちょうど銭湯で湯に浸かる
時と同様、ただ映像と音に身を任せることのできる空間は極楽の一言であり、い
つまでも飽きない感じ。
　外の庭園もまた素晴らしい。これだけ都会のジャングルに隣接した庭園は駒込
の六義園と比肩すべきものがある。冬晴れの土曜日に最高に癒しの空間だが、若
い人はほとんどいなくて、中高年夫婦や地元の若夫婦くらいしかいない。過剰な
デコレーションや騒音の中より、愛を確かめあうにはこういうところの方がずっ
と良いと思うのだが（余計なお世話:-)）。