[MOVIE] とうもろこしの島(ギオルギ・オヴァシュヴィリ監督)@岩波ホール


<2016/Oct/22(Sat)>

 ジョージア映画をもう1本。1時間も間が空くのか、ちょっと時間をもて甘し:-)
 この作品も衝撃的だった。山深い川の中洲に東洋系の老人の男が上陸、家を建
て始める。すぐその後、思春期の若い娘(その娘は西洋系、父娘の関係なの?)
を連れてくる。そして2人でその中洲でとうもろこしを耕して暮らし始める物語。
いくらジョージアが貧しい国とはいえ、できたばかりの川の中洲に自力で家を建
てて暮らし始める、あまりに素朴過ぎる生活がすごい。この女の子、ちゃんと学
校行ってるの?とさえ思ったが、セリフからいちおう通っているらしいことだけ
は分かる。しかし、前半はこの娘の水浴びシーンとかかなりのサービスカット満
載(爆)。いや、正直、この女の子は肉体労働もやる働き者で、ちょっと憧れる。
 たまに中洲に軍人が立ち寄ることから、やはり紛争時期の話だ。しかしその軍
人とはやり取りはあるが、父娘(と思ったらどうやら祖父と娘のようだ)がほぼ
無言。あまりにセリフが少なく、この2人の名前すら分からない。
 紛争時期なので負傷した敵の兵士をくまったりするシーンはあるが、彼らを最
後に翻弄する運命は大自然だった。いや普通に考えて、こんな中洲、大雨が降れ
ば一発で終わりでしょ、と思っていたが、まさに。そのあっけない終わり方に劇
場で声を出して驚いてしまうほど。大自然相手なら日本も他人事ではない、鳥取
ではこのような激しい家の壊れ方は伺ってないが、熊本ではこのような場面があっ
たに違いない。東京で実感できなかったことが、この映画で目の前に同様のカタ
ストロフを経験するとは思わなかった。素朴な暮らしながら、大河ドラマのよう
な長い物語を2時間足らずの中に経験させてもらった感じ。
 と言うわけで、今日連続して3本観た映画はどれも素晴らしい作品ばかりだっ
た。