[ART] Francis Bacon展＠竹橋・国立近代美術館

皇居桜フォトアルバム

　フランシス・ベーコン展を観に竹橋の国立近代美術館へ。上野界隈の古典的な
展覧会に比べたら込み合い方も穏やかだし、客層も若いのは思った通り。年齢と
ともに趣味がモダンアートからクラシックアートへシフトしているのは感じる
が、今もどちらも好きであることには変わらない。それよりも美術館は皇居内堀
にある訳で、駅を降りたら拡がる視界にはちょうど桜が見頃、こりゃ帰りは九段
下まで歩くか。
　前半の初期作品は黒い背景の作品が多く、色彩的に暗い印象を受ける。しかし
ベーコンらしさは初期の作品から十分感じられる。
　中盤からベーコンらしい作品へ。モノトーンな作品からカラフルな作品へ移行
する転機はゴッホの影響とあるが、作品に見られるカリブ海の雰囲気からはむし
ろゴーギャンの影響のようにも映る。
　人物をモチーフにはしているが、常に顔の表情が暈されていて、現代的な匿名
性（被写体側の）を感じるとともに、物語の排除、時間性の排除は（作者側の）
匿名性にも見える。いずれにせよ、独特の描写は被写体への効果と言うよりは根
本的な（表層の）意味の排除にあるのだから、内面的価値の深堀が必要になる
が、そこまで達観するまでにはいたらず。
　美術館を出て、竹橋から九段下へ。北の丸公園内はさすがに桜は少ない、やは
りお堀が桜並木の中心。九段下まで来るとどうしても靖国神社のお花見に、と言
うかテキヤフードヲタクなだけなんですがｗ　しかし渋谷新宿の人混みよりこっ
ちの人混みの方がミーハーな感じがするのはなぜだろう（渋谷新宿は仕事の人も
いるけど、こっちは全員お花見ですから笑）。