From movie-fans-request@mclaren  Sat Jul  6 20:29:21 1996
Date: Sat, 6 Jul 1996 20:29:16 --900
From: sana (Cazou "ACID" Sanada)
Subject: [movie-fans:00201] Francois Truffaut

	Les Quatre Cents Coups	大人は判ってくれない
	re'alisation par Francois Truffaut

  Vitaly KanevskyやBoaz Yakinの映画を体験済みの僕には、正直言ってそれ
ほど衝撃的ではなかった。が、しかし、子どもが自分の生き様の全責任を背負っ
て世を渡り歩く姿を描いた作品の原点として納得行った。

  一貫して子供の視点から描かれていることが大事。さもないと、これは手の
つけようのない反抗期のクソガキの、人生を転がり落ちていく悲劇、という捕
らえ方になってしまうだろうから。そうではなく、これは子供の姿を借りてフ
ランソワ・トリュフォー監督が描く、レジスタンスの原始的な姿だ、と思って
いる。学校の先生、そして両親との関係の悪化が丁寧に描かれ、大人への不信
が大きくなる様が丹念に描かれている。

  ひょっとすると、「子供の愛らしさ」にこの映画はウケているのかもしれな
い。実際、観客の大半は女性だった（まぁ、シネヴィヴァン六本木の客層はい
つもこんなものですが）。カネフスキーやイェーキンの作品のように背景に過
酷な現実（貧困や差別）があればそんな甘い見方もなくて済むのだろうけど。
とにかく、こういうマセガキ映画のカッコ良さは、われわれ大人が日頃感じて
いる不満を、子供ならではの純粋さで次々と暴露していく過程にあると思うの
だ。鑑別所に入れられても脱獄してしまう不屈の反抗心。僕らの住む管理社会
そのものが牢屋だと言うことに思いを至らせれば、この反抗心がいかに賞賛す
べきかが見えてくるだろう。

E-Mail: sana@McLaren
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