[ART] PAUL KLEE展＠国立近代美術館

　渋谷から竹橋へ移動、国立近代美術館のパウル・クレー展へ。さすがにこの暑
さでは皇居ランナーはほとんどいない（それでも皆無ではないのがすごい）。
ＧＷ中に来た岡本太郎展に比べれば空いているが、それでも結構入っていて、
荷物ロッカーの空きはほとんどなかった。
　パウル・クレーと言えばカンディンスキーらと同様、抽象幾何学的絵画の巨匠
であり、また、バウハウスの教鞭も取った進歩的教育者のイメージ。そんな訳で
デッサン作品（クロッキー作品）も多かった。
　ただ、クレー本人が作品の製作プロセスを克明に記録していたことから、その
製作プロセスを明らかにするような展示の工夫がなされていたが、個人的にどう
もピンと来なかった。製作プロセスは確かにアーティストを目指す若者にとって
は大いに参考になるだろうが、作品の意図を汲み取る鑑賞者の立場からはあまり
良い展示方法とは感じられなかった。もちろん現代的な音楽表現としての“カッ
トアップ＆リミックス”には大変感化された人間ではあるが、それは既存の表現
方法の限界を打ち破ったからであり、製作工程そのものが面白いと言う訳ではな
い。
　それはともかく、確かに「花ひらいて」のような幾何学的作品もあったし、
ダークな色使いの淡い線描画は興味深い。シャガール的な幻想的な作品もあった
りして、一筋縄では捕らえきれないアーティストと言うことも分かった。
　それにしても、やはり早起きしたせいで鑑賞中激しい睡魔が襲い、30分近く休
憩してしまったおかげで、一回りするのに２時間かかった。
　外に出ると一番暑い時間。こりゃ８月とかどんだけ暑くなるのか、今から
ちょっとコワイ。