[PLAY] ただちに犬2011＠井の頭公園ジブリ美術館裏

　今年のテント芝居劇団どくんごの公演は吉祥寺の井の頭公園。駅には18:40頃
着いて余裕だろう、と思っていたが、井の頭公園をなめていた、メインの池の周
りだと思っていたら、延々と西方向に20分くらい歩く、まるで都内でフジロック
フェスティバルの会場の中を歩いてる感じ（笑）。公園内に陸上競技用のトラッ
クがあるなんて知らなかった。しかも雨だ、中止はないと思うが、芝居にハプニ
ングが起こりそうな感じ。ジブリ美術館？どこだ？
　19時始まりかと心配だったが実際には19時半始まり。先ずは恒例の無国籍風の
音楽演奏。おっ、今年から歌詞が入るんだ、さつきさん（劇団の中心的存在、劇
間のナレーションも担当）と渡辺陽子さん（今回どくんご初登場？の女優さん）
で歌ってます。
　今回も強烈なナンセンス劇。ちょっと原発事故の件を匂わすようなセリフもあ
るが、基本的には劇にストーリーなんてものはないに等しいので、ごく普通に
（と言うか、ナンセンスギャグとしてはかなりハイセンスかもしれない）。今回
は渡り廊下もあり、後ろから役者が登場することもしばしば。いやそれより気に
なるのが、どくんごの芝居は徐々に背景の装飾が取り外されて（別に黒子がいる
訳ではなく、出番でない役者が堂々と芝居中に片付けをする）最後にはテントの
外まで舞台を拡げるのだが、雨と言うことを全く意識させずに芝居を続けるのは
さすが。セリフが時々消える静寂の瞬間にははっきりと雨音が聞こえる。
　おっ、ついに主役の犬がぬいぐるみだけでなく役者が被り物で登場だ！しかも
腹の中から風船が出てきて巨大化！（そこ、芝居のクライマックスなのにネタバ
ラシしちゃダメ！ｗ）
　とにかく、徹底的にストーリーと言うものを無視した芝居なのにアドリブは殆
んどなく（皆無ではない、そこがまたスリリングだ）、完成度を感じさせる。前
衛的でありながら大人も子どもも楽しめる劇。終演前にも演奏。終演後は飲み物
が配られ乾杯。雨も降っているし、知り合いもいなかったので早めにおいとまし
たが、同じタイトルながらほぼ全く違う芝居になっていて、実に奇妙でスリリン
グで面白い。20日まであと４回公演があるので、オススメ。帰りはまたしてもぶ
ぶかで油そば、中華麺にマヨネーズなんて究極のジャンクフードだよなあ
（笑）。