渋谷駅の岡本太郎のパブリックアートをあらためて観に行く。真下からでは全 体は見えない。20mくらい離れた通路の反対側から作品を眺める。岡本太郎の作 品はいつだって巨大で、私たちが作品を鑑賞すると言うより、作品の方が道行く 人々を観察しているような、そんな存在感がある。 先日の落書き事件についてはよく知らない、作品のどの部分を傷つけたのかは 分からない。ただ、そんなちっぽけなことはどうでも良いくらい、圧倒的な存在 感で私たちを見つめている。むしろ、街の中で常に生きている人々と向かい合う アート、そこで人々のエネルギーを吸い取った結果としての落書きであれば、そ れは落書きではなく作品の生命が“呼吸”する姿ではないだろうか。