[ART] カンディンスキーと青騎士展＠三菱一号館美術館

　こういうタフな時期に支えとなるのは家族だなあ、と感じる。それは細かい世
話をやいてくれる母親や妹よりも、これからの未来があり希望がある姪の存在が
自分に力を与えてくれる部分が大きい。
　さて前からその前を通る度に入ってみたいと思っていた三菱一号館美術館、カ
ンディンスキーの展覧会で初訪問。丸の内のビジネス街のど真ん中にあり、平日
ではスーツ姿の人たちばかりの中、カジュアルファッションで美術鑑賞。煉瓦造
りの外装が先ず入りたかった理由だが、内装もまた素晴らしかった。木の床と扉
がアールデコ調の内装は目黒の庭園美術館に並ぶ趣味の良さ。５人くらいしか入
れない小さな部屋をいくつも渡り、時々ダンスホールにも使えそうな広い部屋が
現れたりして、メリハリのある良質な美術館。
　さて展覧会の内容だが、もともとは風景画家だったカンディンスキーが周辺の
画家たちと「青騎士展」を1911年に開催するまでの足跡を追った絵画展。なるほ
ど、カンディンスキーは最初風景画家で、そこから要らない要素を削ぎ落とし、
本質的なものを残した結果が幾何学的な抽象絵画作品だったのだ、と納得させら
れる。初期の風景画作品も色使いがカラフルで少しばかりメルヘンチックでもあ
り、意外と親しみ易い作品。また、青騎士展に参加する他の画家たちの作品も良
い。カンディンスキーと同じように風景へのカラフルなデフォルメは親しみ易く
かつ新鮮な輝きがある。
　鑑賞し終わって外へ出ても、今の丸の内は歴史的な景観に注意を払う街作りを
していて、意外と散歩していて楽しい。まだ午後も色々回るのに、重たい出展画
集を買ってしまった（汗）。