[MOVIE] 君に届け＠市川コルトンプラザ

　誠実でまじめな作品。まるで地味な高校生活、だけどキラキラ輝いてる青春時
代。ちょっと主人公の黒沼爽子が変わったキャラクターということ以外は、取り
立てて派手なことは何も起こらない。けど、だからこそこの作品は普遍性があっ
て（笑えるくらいに今の時代性を感じさせないけど、だからこそ登場人物に入り
込める）、そして現実の高校生活では手の届かない幸せな時間がこの作品には詰
まってる。
　恋愛がテーマの物語ではあるけれど、むしろ友情の描き方がしっかりしてい
て、そっちで泣ける。というか、主人公以外の登場人物のエピソードもしっかり
と、しかし脇道にそれることなく描かれていて、読んだことはないけど優れた原
作なのだな、と感じさせる。
　派手さがない、と書いたけど、そう言うシチュエーションだからこそ、普遍的
な友情や恋愛の物語がしっかりと伝わってくるんだろうな。他のお客はほとんど
カップルだったけどｗ、そんなこと気にせず、いい映画に出会えたと思った。青
春ラブストーリーとしては、岩井俊二監督のラブレターに次ぐ良作。