[MOVIE] 千と千尋の神隠し

　年末の休みに姪たちとDVD鑑賞。アンパンマンやシンケンジャー以外の物語を
珍しく鑑賞。とは言え、今頃感想を書いてるってことは、実はオイラ的には難解
な内容だったなあ、と言うのが正直なところ。もちろん宮崎駿監督がステレオタ
イプな勧善懲悪のようなシナリオを書くはずもないが、この物語の落としどころ
がよく分からなかった。
　子供の頃、意味もよく分からずに見ていた物語が、大人になってから意味が分
かった、と言うのはよくあること。しかし、大人になって意味が分からなかった
物語を、人生経験を積み重ねる中で解き明かしていく、と言うのはなんだか難し
そうだ。もちろん私なんぞに親切に説明してくださる奇特な方がいらっしゃれば
その言葉しかと拝聴させていただくが、多分このような児童文学的作品は自力で
解き明かしていかないと深い理解にはつながらないだろう。
　油湯は銭湯を模したもの、と言われているが、確かに宮造りっぽい建物だし、
番台もあったりするが、あのように従業員が多く、様々なサービス（食事など）
が提供される施設はどう考えても温泉施設や健康ランドだと思う。ただ、湯を沸
かすことの重労働さを描いているのは面白いと思う。　主人公の千は金には興味
を示さない、と言う意味では禁欲が主題のようにも見える。欲望のままに料理を
むさぼった両親が豚になってしまったくだりもそうだろう。あるいはハクを救う
ために銭婆に会いにいく勇気かもしれない。しかしそう言う道徳的なテーマより
も、映像技術の素晴らしさとか、本質的でないところにカタルシスを感じてしま
う作品だし、もっと素朴な語り口でも宮崎氏は語ってもよいのではないか、なん
てことを思ったりする。僕自身は宮崎氏の思想的な部分は共感しているし、もっ
とそうした部分をストレートに出してもよいのではないか。
＃ああ、大人が見ると理屈っぽい感想しか出てこないなあ（苦笑）。