[MOVIE] Krzystof Kieslowski / Still Alive

　クシシュトフ・キエシロフスキ監督の特集がユーロスペースで始まった。先ず
は彼の生涯を描いたドキュメンタリー「スティル・アライブ」を観る。19時の開
演にちょっと遅刻、まだ予告編の時間だろうとたかをくくっていたが、すでに本
編が始まっていた。しかもほぼ満席、キエシロフスキ人気の高さは没後13年経っ
ても衰えていない。
　最初、キエシロフスキ監督周辺のスタッフや役者たちがマシンガンのように喋
りまくる構成がしんどいと思った。まぁ自分が最前列の席に座ったせいもある。
しかし終わってみると、彼らの監督への愛にヘンな濃淡はなく、キエシロフスキ
の人生をコンパクトに語る良質のドキュメンタリーだった。
　「殺人に関する短いフィルム」「愛に関する短いフィルム」は大学生の頃に猛
烈に影響を受けた作品、断片的なシーンが挿入されているだけで目頭が熱くな
る。そして「トリコロール」のジュリー・デルピーやジュリエット・ビノシュら
がスクリーンに登場するだけで、思わず大人げなく叫んでしまいそうになるくら
い懐かしい。
　自分の人生にも思いを重ね合わせてしまう。僕がこうして日記を書くのも、キ
エシロフスキのような映画監督同様、ドキュメンタリーとして人生を克明に記録
しようとする行為なのだ、と。上手下手の差はあっても、目的は同じ。言葉にな
らない思いはたくさんあっても、言葉で残すと言う覚悟がある限り、僕は日記を
書くことを止めない（って、思い切り話が逸れてるｗ）