[PLAY] 劇団どくんご公演「ただちに犬」＠西日暮里・諏方神社

　外山恒一氏が絶賛する旅芝居劇団どくんごの公演を観に西日暮里の諏方神社
へ。ギリギリの時間だったので、夕食喰わずに。西日暮里で降りるのは超久しぶ
り。駅から急な坂を登る、開演ギリギリなんとか間に合う。まさに旅芝居、境内
にテントを張って劇場に。なんと100以上入る客席は満員、こういう公演ってど
うやって宣伝してるのだろうか？
　開演、先ずは音楽演奏、まさに旅芝居ならではの哀愁を帯びながらも祝祭の明
るさをも感じさせる渋いメロディ。どうやら役者５人、効果音２人の７人と言う
最小構成の劇団。
　「ささやく探偵」「語る探偵」と芝居のタイトルが告げられるが、その後は勢
い。これぞ日本のシュールレアリズム！役者のセリフがお互い噛み合っていない
のに、そのオーバーアクションで観る者に有無を言わせない。しかも、前回の公
演は福井、しかも人里離れた神社で、農作業の後の憩いとＩＴ業界のサラリーマ
ンがアフターファイブに同じ娯楽を楽しむ不思議さ。子供連れも多い、シュール
ながら気取らない大衆演劇、バカバカしいストーリーに大笑い。
　ステージは最初邪魔なくらい装飾があったのに、段々と片付けられて行く。そ
して役者が舞台の外まで駆け出して芝居が続く。境内の向こう側で大道芸が披露
されてたり。舞台の役者（１人だけ関西訛り、鹿児島の劇団なのに、そのドタバ
タぶりは関西ノリかも）が外に出て火を吹いたり。
　日本版不思議の国のアリスはおよそ２時間半の長芝居、クロージングもまた音
楽演奏、おっとその前に激しいフォーメーションダンスもあった。伝統芸と現代
性がごっちゃになって不思議な空間を作り出す。なかなかヤバい見ものでした。