乱＠野方区民ホールＷＩＺ

　竹内のぞみさんが出演するお芝居「乱」を観に野方区民ホールＷＩＺ
へ。自宅の近所なので自転車で行きました（笑、つーか今日は有休を取っ
たのだ）。へー、こんな所にお芝居が出来るホールがあるんだ、と感心。
ホールのキャパは２００人くらいかな。金曜日夜と言うことで６〜７割
くらいの入り。
　シリアスな時代劇を生舞台で観るのは初めて、三谷幸喜作品だとか劇
団新感線とかのコメディタッチしかなかったので。あまり大きなハコで
はないので舞台装置は殆どないのだが、その分役者の演技を集中して観
れます、って言うかすごい近くで演技してるわけだし(^o^)
　島原の乱をモチーフにした物語だが、天草四郎は割と脇役(^^)、いろ
んな登場人物がいるので、人間関係を追うのも結構苦労（お芝居に限ら
ず、時代劇っていつもそうです）。
　先ほど書いた通り、舞台装置に頼らず、役者の演技が全てを決めるお
芝居。舞台の上に流れる緊張感が心地よいです。つまり、水戸黄門みた
いにお茶の間でダラダラと観るのに合せた時代劇ではなく、NHK大河ド
ラマのように、真剣に観てるファンのために作られたようなシリアスな
作品。
　しかも扱っている素材がキリシタンと幕府や藩主との戦い、時代的に
いやでもイラク戦争と重ねて考えてしまう。時代も国も違う物語だが、
テレビで見ているとまるで他人事でゲーム感覚でかの国の戦争を見てし
まうが、やはりこうした人間ドラマこそが現実の戦争と言うものではな
いかと思う。実感の湧きにくいよその国の戦争と言うものを皮膚感覚で
理解する上でも、このシリアスな時代劇は僕に刺激を与えてくれた。
　で、のぞみさんですが、失語症になってしまった農家の娘役。つまり
せりふがないわけです（死ぬ間際に天草四郎の名前を叫んだけど）。表
情だけの演技、逆にそのことが圧倒的な存在感を放ってました。かなり
感動です。
　それにしても、終演後、出口で役者さんたちがずらりと見送りに並ん
でいるのには圧倒されました。なんだかよく分からないけど、普段のイ
ベントとは全く違う緊張感を感じながらのぞみさんとお話したり写真を
撮ったりしました。本当になぜか足が震えるくらい緊張してました（汗）。
彼女の演技に対する本気さを存分に感じ取れたお芝居でした。外に出る
と冬入りの寒さ、この寒さがいい感じにお芝居の余韻を冷凍パックして
くれました。