レッツゴー！忍法帖＠池袋サンシャイン劇場

　まぶちん（馬渕恵里何）の名前だけに惹かれて観に行きました、と言うわけ
で先入観０での観劇。シャンサイン、もといサン社員（もっと間違い）って、
池袋駅から遠いよなあ。池袋はあまり来ないので、下手すると渋谷より歩きに
くい感じがする。そんなことはともかく、客の９割以上が女性でビックリ。まぁ
劇場と言うところはえてして女性の方が多い場所みたいだが、それにしても今
回の女性率の高さは凄かった、帝劇やオーチャードだと初老の風とかがいるか
らまだしも、今回はそういう人たちもいない。辿り着いたのは開演１０分前。
開演前のＢＧＭがハードロックってのがまたビックリ。
　ハイ、劇団☆新感線のスピード感覚溢れるコメディが開けた結果でした。こ
れはすごいわ、流行と言うか、今日的なものをゴッタ煮にして、笑いとスピー
ド感を紡ぎ出すお芝居。目を離すと置いて行かれそうなくらい早い展開のドラ
マ（脚本家の頭の回転ぶりもスゴイし、それについていく観客もバカでは着い
ていけないだろう）、でもテレビでは味わえない躍動感が観る者を引き付けて
やまない素晴らしいリズム感に支えられた展開。新しいのだけれど、決して伝
統的な演劇手法をぶち壊すようなことはしていない、つまり変にアバンギャル
ドではない、万人に分かりやすい内容でもある。
　で、まぶちんは静姫と言うお姫様役、他の殆どの出演者が殺陣（女性でも
殆どが九の一）をやる中で、ちょっとおきゃんで可愛い存在感があってよかっ
たなあ。なかなかテレビでも観る機会がないので（ってそもそもあんまりテレ
ビ観てないけど）、こうして元気な姿を見られるだけでもよかったです。（実
際にはまぶちん、最近昼ドラでご活躍です。専業主婦の方は是非チェックを）
　スピード感と共に際立つのが、役者の個性。こういう所でお目にかかる役者
は、そんなにテレビではお目にかからない人たちばかり（パンフ見ても、まぶ
ちん以外知らなかったもん）。だが主役対脇役のような上下関係のない、出演
者全員が主役と言ってもいいくらい、どの出演者もパワフルに舞台を作り上げ
たりグチャグチャにして見せたりで、息を呑む展開に拍車がかかる。舞台をま
とめてる人は大変なんだろうね、稽古場ではみんな「俺が俺が」状態に違いな
さそうだ（笑）。
　ただ、僕がのめり込めないだろうと思うのは、メッセージ性がないと言うこ
と。スピード感があるので、具体的な商品名（つまりユニクロ:-)）が出てき
ても嫌味がない。商業演劇であり、エンターテインメントなんだから仕方ない、
と言えばそうだけど、少なくともメッセージ性がないと、僕の中にカタルシス
として残っていかないですね。いずれにせよ、初めてジェットコースターに乗っ
たような、新しい経験をしました、と言う感じです。終了は１０時過ぎ。コン
サートも映画も２時間が基本だけど、演劇は３時間が基本。