From be1773@ni.bekkoame.ne.jp  Sun Oct 18 19:47:28 1998
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Date: Sun, 18 Oct 1998 19:47:19 +0900
Subject: [movie-fans:00088] Innocent World
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映画じゃないけど、最近は「アウトサイダー・アート」と言うジャンルがある
そうで、天涯孤独の知的障害者が書き綴った膨大な量の幻想物語とその絵巻き
が発見されたりすることがままあるそうです。そういうのって生計を立てると
か、有名になってやる、とか言った野心の微塵もないところから生まれ出てき
た芸術なわけでしょう？完全に自閉しきったヲタクな世界の向こう側に、真の
芸術が存在することを教えてくれる話で、個人的にメチャクチャ感動しました。
以上閑話終わり。

	イノセント・ワールド		下山天監督

　情報処理試験、午前中の出来であきらめのついた私は、午後は良心の呵責に
もあうことなく、映画を観に行ってしまいました（苦笑）、いや昼から本当に
天気よくなりましたねぇ。

　で、試験をトンヅラして観に行った甲斐あって、すごくいい映画でした。ど
ういい映画だったのか、と言う言葉が見つからないけど、やっぱり言葉になら
ない思いが詰まっている作品だから、いい映画なのだ、と言うしかない。

　主演の竹内結子と安藤政信。こんなに素晴らしい若手俳優がいたのか。竹内
は少女以上大人未満の女性の色気と言うものを漂わせまくっていたし、安藤は
知的障害者と言う難しい役どころを何ら不自然さを感じさせずに演じ切ってま
した。そして伊藤かずえ。最近はＴＶではほとんど見かけなくなった彼女も、
ここで見せた演技は信じられないくらい哀愁を漂わせた色気をスクリーン一杯
に満たしていて、思わず息を呑むほど。そしてそもそも、こんな原石の輝きを
放つ若手俳優を見つけ出してきた下山天監督と言う人が只者じゃない、と思わ
ずにいられない。

　原作は桜井亜美と言う人のファンタジー小説。と言うことで、客層は中高生
の少女たちが中心だった。私は単純に予告編の宣伝だけで判断してきたわけだ
けど。援助交際をしている現実的な妹と知的障害を持つナチュラルな兄のロー
ドムービー、多分これで今年観た映画のＮｏ．１は決定。

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