From be1773@ni.bekkoame.ne.jp  Tue Nov  4 23:00:37 1997
From: Cazou ACID Sanada 
Subject: [movie-fans:00030] 時をかける少女
Date: Tue, 4 Nov 1997 23:05:54 +0900
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　東ＣＣ藤岡君のご好意で行ってきた試写会の感想です。ありがとね＞藤岡君

	時をかける少女		角川春樹監督

　原田知世主演の映画、内田有紀主演のＴＶドラマ、とその時代のアイドルを
生み出してきた筒井康隆原作のファンタジー。今回のリメイクの主人公も中本
奈奈と言う全くの新人。そんな訳で、アイドル映画だからオタクな男の子が多
いかと思ったらファンタジー少女が客層の中心だった。そこで脇役の女の子目
当てで試写会に応募した藤岡君には頭が下がります。:-) 関係ないけど、試写
会会場の九段会館と言う場所もオペラ歌劇でも出来そうなゴージャスでレトロ
な内装がとても気に入りました。
　最初は出演者の高校生はどいつもこいつも演技が稚拙だなぁ、と思って観て
いた、だからモノクロ映像と言うのもわざとらしい演出としか思えなかった。
しかしそんな稚拙な演技にもかかわらず、次第に幻想的な主人公の存在感に引
き込まれていく。初恋とか純愛とかいう言葉で語られるロマンチシズムがスク
リーンの中のリアリティとして描かれていく。
　主人公の女の子は彼が別の時代へ旅立つ前に記憶を消されてしまうが、恋し
たことの思い出だけが残っていて、最後にその想い出の彼と再会する。これっ
て「赤い糸」を信じる女の子の考える「前世からの運命」の見事なレトリック
のように思える。これは若い女の子はハマッて当然だろうなぁ、と思った、と
言うか、自分も高校生くらいだったらハマッていたかも知れない（実はあの頃
ある少女マンガにハマッていたことがあるのだ）。
　コギャルもイケる僕みたいな男がこういうメルヘンチックな女の子も好き、
なんて言ったらただのウソつきでしかないけど、価値観が多様化し過ぎて同じ
気持ちを友人や恋人と共有しずらい時代においては、逆にこういう古臭い価値
観を大切にすることが大事なような気がする。

acid@po.globe.or.jp or sana@jmt