ZOMEKI-騒き＠浅草リトルシアター

　浅草といえばロック座？残念ながら（なのか？ｗ）今日は牧瀬さんです、浅草
リトルシアターというロック座近くの小劇場でダンス劇。電話予約してなかった
ので開場直後に入場。30人も入ればいっぱいの自称「世界一小さな劇場」。開演
前のBGMがTom Waits、場末のにおいがタマラナイ、良い雰囲気です。若松でお見
かけする方もいますが、やはり浅草ならではの多様な人種（役者さんや芸術家な
のかな？）が集まる劇場。
　薄暗いステージに箱型の椅子があるだけの舞台、いったいどんなお芝居なの
か。果たして、風間寛治さんの朗読劇、と言った案配。朗読劇自体にあまり接し
たことがないからかもしれないが、ドラマチックさは一般的なお芝居よりもはる
かに濃いものがあった。生で、近くで観ることの価値がはっきりと分かる劇。浅
草セクシーブルースというテーマがそれを示している（個人的には関西弁ではな
いけど大阪ブルース的濃厚さを強く感じた）。もしかすると、風間さんの熱い朗
読とアクションだけでも芝居は成立するかもしれない（そのくらいに彼の演技は
何かが降りていたかのような神秘性とリアリティとを兼ね備えていた）。しかし
そこに牧瀬さんの妖艶な躍りが絡むとセクシーさ、いや男女の機微の奥深さみた
いなものがグッと深まり、シンプルでありながらカラフル、パワフルでありなが
らそこはかとない哀しみをたたえた強い印象を残す舞台になっている。決してお
金をかけた芸術だけが素晴らしい訳ではない、ということを胸を張って言えるよ
うな、成功した数少ない例。
　そんな１時間あまりの強いインスピレーションを受けて再び雨の止まない浅草
の街へ。ロック座はまた仕切りなおして行こう。