NEXT TRACKS

　最近忙しくて久々のマキケン所感ですが。:-)

　１０月から牧さんのラジオ番組がNEXT GENERATIONからNEXT TRACKSに変わ
り、時間帯も２５時〜２７時の間だったのが、27:30-28:00と言う、ちょっと
夜更かしにはツライ時間帯に移った（汗）。そんな訳で基本は留守録なのだ
が、忙しさにかまけてセットを忘れることが多い。^^;;
　いや、そんな事を話したいわけではなくて、以前はリスナーからのハガキ
やメールで構成されるごく普通の（と言っても、いきなり作曲しちゃうとこ
ろは牧さんならではの番組展開だが）パーソナリティぶりだったが、今回は
世の中のおかしいことについてマキケンが語り尽くすと言う、言ってみれば
ラジオ版「朝まで生テレビ」のような番組になっている。
　マイナスな見方をしてしまえば、「ただでさえ誰もラジオなんて聴かない
時間帯なのに、その上こんな固い話なんかしたら、聴く人いなくなっちゃう
よ」と言う心配もある。その一方で、こういう深夜時間帯は視聴率調査の対
象外になっているそうで、若い放送作家たちによる過激な実験番組なども多
い。その意味では、牧さんの番組スタイルはなかなか実験的で面白いのでは
ないのかな、とも思う。
　自分もポリティカルな発言をＨＰ上でやっているので（読みたい、などと
言う奇特な方:-)がいらっしゃいましたら、このサーバ上にありますから探
してみて下さい）彼が特別なことをしている、とはちっとも思わないが、そ
れでも日本の芸能人がポリティカルな発言を避ける傾向がある中で、新しい
世代のミュージシャンなのかな、と思う。ご本人の許可を取っていないので
ＵＲＬは公開できないが、牧さん個人でもＨＰを作っていて、そこでは社会
的な発言にもっぱら費やしているほどだ。
　参議院の単なる票集めに使われたタレント議員は論外として、最近でも東
京都の青島幸男知事、大阪府の横山ノック知事、と言う地位にタレント出身
政治家が席を占めていた時期があった。しかし残念ながら２人とも最終的に
はあまり高い評価を得られなかった。そして今度は田中康夫長野県知事であ
る。彼は関西大震災の折に現地でのボランティア活動やその後の発言が評価
されている人である。氏には是非とも任期満了後には高い評価を残してくれ
るような知事になってもらいたいものである。
　話題を牧さんに戻すと、東芝ＥＭＩの公式ページでの発言にもある通り、
彼は政治的発言はしても、政治家になるつもりは今のところない。僕は彼の
その姿勢は正しいと思う。政治は政治家だけがやるものではないから。と言
うか、日本の政治が“おかしい”のは政治家の責任も０ではないが、政治に
関心を持たない私たち一般人の責任が大なのである。それを音楽と言うメディ
アで啓蒙活動することも立派な政治的活動だと思うのだ。
　それともう一つ重要なこと。ロックもフォークも、つまりは今の時代の音
楽カルチャーの殆ど全て、は、ポリティカルなメッセージを載せたことで爆
発的に普及した、と言う過去を忘れてはいけない。アメリカがベトナム戦争
をやっている間、反戦平和を訴える人たちを束ねたメッセージがロックやフォー
クのフォーマットで歌われたとき、そのロックやフォークは頂点を極め、そ
の後今日まで続く音楽カルチャーの基礎を作っているのだ。ポリティカルな
メッセージの場合、ラブソングと違って必ず誰かかしらから反論を買う。万
人から受け入れられないメッセージを訴えるために、音楽と言うメディアに
力を与えることが出来たとき、歴史に残るアーティストになれるのである。
牧さんにはきっと、そういう意見の対立の壁を越えられるような力のある音
楽を生み出す可能性を秘めたアーティストだと信じている。牧さんには是非、
２１世紀の最初のカリスマになってもらいたいものである。