「想い出」


撮影:横木安良夫
発行:ぶんか社
定価:3,000円+税
発売日:2003年1月31日(金)
<2003.02.02(Sun)>
 楽しくもあり、かつ衝撃的でもあり。とにかく今までの常識を全く
覆してしまった写真集。これは仲谷かおりファンに限らず、全ての写
真集ファンが手に取るべき価値のある作品。
 例えばコスプレ。エロティックなシチュエーションを演出するため
にコスプレすることはあっても、ここでのそれは観る者を思い切り異
次元に吹っ飛ばしてしまう破壊力がある。それでもエロスを感じるか
どうかは見る人によるものだろうが、いずれにせよこれは“遊び心”
が生み出した賜物。そもそもかおりさんと言えば、美乳サンタのプレ
ゼントの頃から巨人として都会に表れるなど、常軌を逸したシチュ
エーションで紋切り型のイメビの伝統(?)をあっさりと打ち破って
いた。
 それとシチュエーション。汐留、お台場で撮られたと言う屋外ショッ
トはやはり衝撃(個人的に勤めている会社の本社が近所だと言うのも
あるし)。
 しかし、そうした観る側の不安と畏れがかおりさんの笑顔でいとも
た易く吹き飛ばされてしまう。カワイイとか、キレイとか、型にはまっ
た写真集の評価軸が、ここでも見事に破壊され、驚きが微笑ましいファ
ンタジーに置き換えられていく。今度「まいっちんぐマチコ先生」実
写版の主役をつとめるかおりさんだが、かおりさんは“アニメ向けの
キャラクター”と言うより、実は“キャラクターがアニメそのもの”
なのかもしれない。3年間もファンをやっているのに、今でもかおり
さんの存在には新しい発見がある。すごいです。