１１〜１５はサンタビデオについて助監督さんが直々にご返答 頂いたものです。
．．．そう、仲谷さんが仰っていた『携帯電話がなかったら事件』 の全貌が今、明らかに・・おっと、友達にはナイショだぜ！（＾＾）
同作品は正規のVシネマと違い、天才・河崎実監督の元、河崎組のお馴染みの スタッフ・キャストだけでアトホームな空気の中、和気あいあい！順調に撮 影は進みました・・そうです。。マネージャーさんも安心されて帰られた、 あの笑いの絶えない雰囲気が、キョ〜フの大ハプニングを引き起こしたので す！！。。
本編の最終撮影現場は『電次郎のアパート』。撮影は住み慣れたリアルな生 活感を狙って？次郎役の加藤礼次朗さんのお部屋でロケさせて頂いたのです が、いざ談笑しながらエレベーター入口に着いた時、数人しか乗れないエレ ベーターの狭さに皆、現実にかえりました。礼次朗さんの本職はマンガ家で 部屋はその資料の山です。何人もの人間と機材が入るのは・・。 「仲谷さん、上は狭いから・・おつかれでいいよ。ありがとう！」と、監督 が優しい言葉を掛けられました。 突然の言葉にびっくりんごしたのは私です。ここで優秀な助監督であれば直 ぐに気付かなければいけないのですが、前述の雰囲気に呑まれていた私は我 に返って「ち、ちょっと確認・・」「兎に角エレベーター乗れよ」。。その エレベーターの扉が閉まった瞬間に気が付いたのです！ 「仲谷さん、まだありますよ！最終回のワンシーン！」「あ！そうか！呼び 戻して」
しかし逆走行の出来ないのがエレベーターです。一方通行の昇降を待つしか ありません・・・。。いざ通りに出ると・・シンデレラの姿はどこにもあり ませんでした！ 「ヤッバイ！！」とダッシュしたのは地下鉄の駅がすぐ近くだったからで す。もうこの時からテンションは上がりっ放し！！一気に地下への階段駈け 降りると・・反対ホーム、そこには、まさに電車が！！『ひめ〜〜〜〜 ッ！！！』 「卒業」のダスティン・ホフマンよろしく叫びましたが・・電車は行っちゃ った！！！
さあ！えらい事になりました。そうです！！地下鉄＝携帯電話が通じない っ！！ 仲谷さんを呼び戻す連絡手段がなーい！！！ 最後の頼みは「留守電のメッセージ」のみ。。しかし帰路の途中でこれに気 付いてくれる可能性は・・。。 沈痛な？？空気の中、撮影は続きます。。やはり連絡はありません．．。 ついに仲谷さんの出演シーンを残す最後のカットになりました。。 電一が電次郎に電エースを託す、本シリーズのクライマックスです。 この場面は人間の入れない場所にカメラを仕込んだ為、カメラを廻っ放しで 撮影しました。 本番スタート！「電エースを、オマエにやるよ！」電一こと監督のエラクカ ッチョイイ場面．． 監督も御満悦で「カット！」、その時です！！・・ピピピピピ♪。 「来たァ！！」監督の携帯です・・仲谷さんからの電話でした！ さて・・監督は「カット！」の声を掛けられた訳ですが賢明なファンの皆様 は、もうお気付きでしょう。。先に述べました通り、このシーンはカメラが 廻しっ放し・・。 そうです。カメラは「ごめん・・だからゴメンって〜！」と仲谷さんの電話 にひたすら頭を下げられる監督の大爆笑シーンをもバッチリ撮影していたの でした＾＾！！。。
「タクシーで戻ってくれ！」という監督の言葉に、道路にお迎えに出ていた 私は横方向．．歩道を喜色満面で駆けてくる女の子にビックリしました。 「あれ？何でタクシー使わなかったの？！」「電車の方が・・」ニコニコ顔 の仲谷さんはそれ以上何も言いませんでした。 決して予算のある作品ではない、無駄なお金を使わせたくない・・スタッフ と一丸となって作品創りに参加された仲谷さんならではの優しさでした（電 車賃すら頑なに受取ろうとしなかった仲谷さん・・無理に渡したら・・この 先は感動でちょっと書けません）。
『お帰りなさ〜い！』「ンもう！カットされちゃったんだ〜と思ったんです よォ！！」『ゴメンナサ〜〜イ！！』。。現場にカムバックされた仲谷さん に皆のテンションは最高潮に達しました！監督の「さあ！始めようか」の声 にリハーサルが始まり・・この時、私は「ン？マズイな」・・と感じました。 それまで仲谷さんが演じられた「ホノカ」のテンションとギャップを感じた のです。少し間をおいた方が・・でも。 目の前には本当に、心から輝いている仲谷さんがいました！この姿を撮らえ ないで何が映像作家でしょう。 監督の方を見るとニッコリ、大きく頷かれました。「廻そう！」・・・。
「電エース」の最終回。そこには、仲谷かおりさんの等身大の輝きが永遠に 記録されています 末永く御愛蔵戴ければ、作品のスタッフとしてこれ以上の喜びはありません ．．．