tokyo.sora 石川寛監督


<2002.10.26(Sat)>
 「群青の夜の羽毛布」に続いて再び本上まなみさんの舞台挨拶がある、と
言うことでシネセゾン渋谷へ。整理券は前日に配布されたが、それは客先I
○JからT○Sに移動中に(月末なのでNTWL入力の時期)渋谷経由で(笑、当
然全く反対方向でした)。今回は井川遙ファンも来るはずだが、意外と競争
率は低く、整理番号は多分真ん中辺。:-)
 今日の東京の空は雨模様、この映画に出てくる東京の空も、快晴ではない
ようだ。そもそもこの映画、特別な脚本がないと言う、等身大の東京に一人
暮しする女の子たちの物語(そもそも役名も本名のままのようだ、ランジェ
リーパブで源氏名を名乗る以外は)。なので、淡々としたストーリー展開。
まぁ日本映画らしいと言えばらしいと言えないこともないが、要するにフラ
ンス映画的なオシャレ志向の映画。勘が悪いと話のストーリーが見えない、
と言うことにもなるが、逆に分かるとどの子もいとおしいくらい一所懸命に
生きてるのが分かる。あと、6人の女の子が等しいポジションで演じていて、
ストーリーが進むにつれて出会っていく、と言う展開なので、6つの話が並
行しており、これも少し分かりずらい。
 そんなわけで、本上さんの役も、さえないモデル、と言う役どころ。しか
も恋愛のシーンさえない(恋愛話のある女の子もいる)。とは言え、へそだ
しミニスカートでカメラの前に立つ本上さんにはちょっとクラクラ、これだ
けでも1500円払う価値はあった(爆)。普段の本上さんはいつもメガネ
をかけているそうだが、この作品でも殆どメガネ姿で登場しており、かなり
彼女の素に近いシチュエーションなのではないだろうか(さすがに駅前でティッ
シュ配りの経験はないそうだが)。
 あと断片的に面白いと思ったところ。孫正華がコインランドリーで出会う
男が坂本サトル(フォークシンガー、加藤いづみさんとよく共演してる)に
似てるな、と思ったら、本当に坂本サトルさんだった。井川遙嬢の昼間は美
容師見習い、夜はランパブ嬢、と言うのはちと設定厳しいよな、美容師忙し
いから夜の仕事の掛け持ちは無理。結局年の功と言うか、唯一オバサンの雰
囲気がある(失礼な!)板谷由夏嬢が結局一番存在感があり、彼女が最終的
に主人公なのかもしれない。家の中で下着姿であぐらかいて小説の原稿を書
く姿は色気も何もあったもんじゃないが、逆に愛おしさにつながっていく不
思議な女性だった。
 長々と感想らしき物は書いてみたが、これはかなりアンビエントな映画。
真剣に見て面白い、と言うより、BGM代りに流しておきたいような作品。
要するに実験映画である、小説化し棒の板谷由夏のセリフの中に「あえて半
分しか書かなかった」と言うのがあって、それがまさにこの作品、等身大の
女の子を描いてはいるが、生活観はすっかり抜き取られている。そこに積極
的意味を見出してこの映画は作られているのだとは思うが、個人的には物足
りなさが残る。舞台挨拶まで淡々としたものだった。なんか終った後「まな
みさんかわいかったー」と言う後味が残らないまま渋谷の街に出てしまった、
ぅか(もちろん舞台挨拶に来た4人の中では一番存在感があったのは言うま
でもない、むしろ4人の美女に囲まれてプレスフォトにポーズを取る監督が
一番“カワイイ”かもしれない(笑))。そう言えば、この石川寛監督とい
うのは本上さんがブレイクのきっかけとなった爽健美茶のCMを作った人な
のだそうだが、実は爽健美茶の頃はまだ本上さんにピンと来てなかったんだ
よな。