「砂の上の恋人」を観て

　観るのが怖い、とは言っても、やはり早く帰宅出来れば、
観ずにいられるわけもなく、１１月第１週、つまり第４回
で初めて観ました。
　やはり、第一印象は、痛々しい。観ているこちらまでも
が罪悪感にさいなまれてしまいそうな、悲しみを背中いっ
ぱいに背負った黎子。それを演技がうまい、などと客観的
に評するよりも、先ずは早くハッピーエンドに向かって欲
しい、と言うのがファンとしての切なる願い。
　それでもあえて「女優・本上まなみ」を評するならば、
初めてのドラマ主演でこんな難しい役柄＝殺人者、をよく
演じてるなあ、と思いました。罪の重さに気が狂いそうな
場面、例えば絵里花（奥菜恵）に責められ、飛降自殺寸前
にまで追い込まれるシーン。父親にベッドで自失した状態
で朗（長瀬智也）と夜を共にしたことを語るシーン（そん
なシーンがあったと知って呆然とする自分:-)）。少ないセ
リフが一層彼女の深い絶望をリアルに表現していて、同じ
痛みを感じてしまいます。
　これがファンの贔屓目の評かどうかはともかく、連続ド
ラマの主役を張る女優なんだ、と言うことを知る良い機会
であったことは間違いなかった、とだけ言っておきます。
ただ、こうした絶望を嘆く女性が否応無しに美しいのは、
夫に先立たれた未亡人の醸し出す色気にも似たものを感じ
るのですが、そこにはやはり女優としてでなく、普通の女
性としてのまなみさんが溢れていることに相違ない、と思
うのです。

余談１：実は酒井美紀も好きなのですが、長瀬クンはその
時も美紀さん演じる園子の恋人役＝渉を演じていました。
普段の長瀬クンはカッコ良すぎで嫉妬心しか湧いてきませ
んが、演技している彼は我が身を重ねてみるようにしてい
るので:-)、結構親しみを感じてます。

余談２：朗の死んだ恋人、ひとみ役演じる菅野美穂さんは
「女優」としては今日本で一番信頼できる若手、だと思っ
ています。雑誌ボム！では奥菜恵さんと対談されています
が、是非菅野さんと親しくなって、いろいろ演技のことと
かでまなみさんには学んでいってもらいたいです。