[BOOKREVIEW] 麻生ハルミン／私は猫ストーカー

　映画の原作だから小説形式なのかな、と思っていたが、やはり猫ストーカー日
記でした、まぁ当り前かｗ　中心は都内のいろいろな場所での猫との出会い。著
者がイラストレーターだけあって、挿絵や写真が猫の風景をより鮮やかに描いて
いて読みやすいです。ロケーションがバラバラで映画には出てこないシーンも多
いですが（と言うか、猫なんて一期一会なので、文章をまんま再現できる訳もな
いけど）、坊さん？が道案内してくれたり、猫返し神社のエピソードなどは映画
にもあってなんだか嬉しくなる。
　それにしても、著書では猫に逢いに海外まで行っちゃうのか、映画はさすがに
国内だけ、原作は金かかってるなー（笑、そう言う問題か？）。で、主人公の昔
の恋人だの思いを寄せる英文学好き青年みたいな登場人物は完全に映画のオリジ
ナルだと分かる。猫マニアの人には興味のないシーンかもしれないけど、うっす
らと描かれた痛みは、猫の気ままでのほほんとした存在感を逆に強調してくれて
いるんじゃないかな。
　この本自体はあっという間に読み終わってしまうけど、猫学の奥の深さは映画
からもこの著作からも伝わってくる、そして実際に猫と対話することでその深み
をより肌で実感する。