金原ひとみ「星へ落ちる」発売記念サイン会＠青山ブックセンター

　今週は全然仕事しなかった、と言うか、仕事があまりなかった。来週以降もな
かったりするとそれはそれで問題である（まぁ忘年会シーズン突入だから他の人
も仕事にならんのだろうけど）。楽に遊び回れた１週間、でも相変わらず仕事中
に体調不良、久々に今日は偏頭痛も。そこはかとなく“情けない”気分のまま、
表参道へ。くたびれた背広姿で華やかなファッションにみを包んだＯＬたちの歩
く街に出るとまた“情けない”気分が頭を持ち上げる。しかし、ひとみ先生にそ
んな失礼な態度じゃダメだぞ自分、と言い聞かせながら青山ブックセンターへ。
　若い女性たちに交じって自分より年上の読書好きなオヤジも多い、つーか両極
端だ。悪く言えば“いびつな”ファン層だが、それこそが金原さんのエッジの証
明であるかのようでもある。ファッショナブルのようでいてエグく、エグイよう
でありながら純文学。
　整理券配布初日に取ったので１２番と早め。でも１５分くらい待ったかな。新
作をパラパラとめくる、短編集ですでに雑誌で読んだものもあるが、未読のもの
もある。金原流エッジの効いた恋愛小説はいよいよ男性の立場、ホモセクシャル
なシチュエーションにまで及ぶ。芥川賞受賞作のようなBMチックさはないが、相
変わらず刺さるような愛に傷つく男女の物語。このごろいつも疲れてる自分に
は、登場人物たちのは物の先で踊るかのごとき血眼で愛に賭ける姿、その情熱に
ひざまずいてしまう。自分もクリスマスシーズンなんだから、このような情熱を
灯したいものだ、いつまでもお通夜のようなクリスマスでいてはいかんｗ
　金原さんのいる会場はまるで２００１年宇宙の旅のラストシーンの部屋のよう
に真っ白で無機質な部屋。金原さんは小説のエッジの立った存在感を醸し出しな
がらもまるで仙人のようにたおやかな笑顔で私を迎えてくれた。皆さん黙ってサ
インを書いてもらってますが、やはりコミュニケーションを取った方がいいな、
と思い、「蛇とピアス」映画化おめでとうございます、必ず観に行きます、と話
しかけた時の何とも言えない穏やかなひとみさんの笑顔が印象的だった。アン
ケートも簡単に書いて投函（やっぱり映画のこと）。
　サインをいただいた本を抱えて再びきらびやかなネオンに彩られた青山の街中
へ。表参道には似つかわしくない（こともないか？）場末の洋風居酒屋のような
オールディーズ流れるトンカツ屋で夕食をとり、帰途へ。