MAXIMUM GROOVE感想

　一言で言うと、「いい意味で歌謡曲だな」と言うこと。もちろんＭＡＸと言
うグループは「安室奈美恵 with スーパーモンキーズ」の時代から、レベルの
高い歌とダンスでリスナーを魅了し、現在の沖縄アクターズスクール出身アー
ティストたちの先頭に立つ、最先端の存在である。その一方で、ヘンに突出し
ないバランス感覚のようなものを感じる。
　現在はヒット曲の陰に必ず大物プロデューサーがついている時代だ。小室哲
哉（安室奈美恵、華原朋美など）、伊秩弘将（ＳＰＥＥＤ、Ｄｅｅｐｓなど）、
奥田民夫（Ｐｕｆｆｙなど）、佐久間正英（ＧＬＡＹなど）、などなど。しか
しＭＡＸのばあい、そうした有名プロデューサーにつかずにがんばっている。
このことは、人気プロデューサーにおんぶに抱っこではなく、自分たちの力で
勝ち取った人気だ、と言うことを意味するわけだから、ファンとして誇りに思
うし、流行が終わったら見捨てられるようなヤワな存在ではないことも同時に
確信してしまう。

　サードアルバムを一聴してみると、ヒップホップあり、バラードあり、ユー
ロあり、とゴッタ煮的な内容だが、どれも決してマニアックに走ったりするこ
となく、お茶の間やカラオケボックスで誰もが楽しめる曲と踊りになっている。
今風のサウンドでカッコよく決めるのもいいが、そんなのは時が経てばすたれ
てしまうだろう。"Love is dreaming"で取り入れた通称“みやおすすむダンス”
にしても、カッコ良さにちょっと滑稽さを混ぜることで、ぐっと親しみやすさ
を増している。最先端でありながら、一時の流行に終わらせない強さを、彼女
たちのアルバムに感じずにいられない。来年の半年近くに及ぶ全国ツアーが今
から楽しみである。